すべての実践は観察に始まります。
対象のかかえている困難は何か、苦痛は何か、を看護婦の五感を駆使してとらえるところからスタートします。
また、患者の身近にいる人々からの情報収集や、検査データなどからも、患者の状態を知ることができます。
この場合大切なことは、ありのままの状態を、観察老の先入観や思いこみによらず素直にとらえることです。
ごく普通の人間的な感情と、素朴な目で見ることを忘れてはならないと思います。
同時に予測をもって、専門職としての目で見たり確かめることが大切であり、この二つの矛盾を統一した見方が要求されるのです。
また、いつでも対象の全体像に接近するということを忘れてはならないと思います。
全体像とは、病像と生活像と社会像。
病像とは、患者の疾患の種類や段階、症状や予後はもとより、その病気に付随して起こる苦痛などを明らかにすることです。
また、生活像とは、日常生活行動の自立度、もし、援助を必要とするなら、その程度についても知る必要があります。
社会像は、その患者の社会的な背景や家族構造ならびに、病気をどう受けとめているのかといったことです。
ここで注意しなければならないことは、それらの状況を細かく、漏れなく見ようとして、一人の人を分断して見ていくのではないということです。
こま切れの寄せ集めをしても決して全体像にはならないということを知るべきです。
また、病像や生活像の相互関連、社会像との関係などを総合的に見ていくころが大切です。